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2018-08-26

<トレイス・ユー>①「トレイス・ユー」のための手引書


<트레이스 유>│① <트레이스 유>를 위한 안내서
http://ize.co.kr/articleView.html?no=2014020208147229637
2014.2.3.

2012年冬、「トレイス・ユー」プレビュー公演を見た日のことだった。ロックサウンドに耳が痛み、各自の解釈を要求されるストーリーに頭を痛めた。カーテンコールにはもちろん馴染めなかったが、生物の匂いが濃く出ていた感覚だけがハッキリと残っている。「トレイス・ユー」はそんな作品だ。好みによって好き嫌いが明確に分かれ、観客の積極性がより多くのものを残す作品。ここから回転ドア観客(回転ドアを回るように一つの作品を何度も観る客)が誕生した。2014年3月4日、もう一度公演される「トレイス・ユー」のために、90分の短いミュージカルに込められている意味を整理した。より多くの人が奇妙な体験をしてほしいという気持ちからだ。迷路のような地獄の門にたどり着いたことを歓迎する。

※ミュージカル「トレイス・ユー」についての重大な内容が大量に含まれています。


Location: クラブ・ドゥバイ
二人の男が居住している(と信じている)ホンデのクラブであり、ボーカルのク・ボナとギタリストのイ・ウビンで構成されたバンドの名前。
「トレイス・ユー」は過去ピンクフロイドからクイーン、ボンジョビ、ニルヴァーナまでロック音楽に心酔していたパク・ジョンア作曲家が作業したロック・ミュージカルで、全19曲(reprise含む)の中毒性の強いナンバーで構成されている。
ボナは、毎晩クラブにやってくる女性に心を奪われ、なんとか彼女と会う約束をしたものの、会うことはできなかった。ウビンは、それにも関わらず彼女を待ち続けるボナを情けなく思っており、ある日二人は新聞記事を通じて彼女の消息を掴む。「クラブのトイレで首を吊った美しい女性」。
音楽と一人の女の間に置かれた二人の男の対立は、力強いビートドラムと華麗なギターリフの上を踊る。エネルギッシュなライブと多彩な照明、マルチビジョンを利用し俳優を浮き彫りにする映像、息もつけぬカーテンコールなど、「トレイス・ユー」は一つのコンサートを作っているぐらいだ。
90年代のホンデのクラブドラッグを出入りするほどロックを愛していたユン・ヘソン作家がキム・テウォンとキム・ドギュンの名前を合わせて、キム・ドウォンというドゥバイの主人を作り出そうともした。しかし、「トレイス・ユー」の美徳のうちの一つは、その強烈なエネルギーの中に、すぐには似合うことのできないミステリーが隠れているということにある。19のナンバーの反復的なメロディや幻のような前奏などは、これらを取り巻くミステリーな雰囲気を盛り上げ、「ドゥバイ」という名称はギリシャ神話のオイディプースを背景に、「テベ(Thebes)」を文字り、主題についての伏線を張っている。

Drink: イチゴ味バナナ牛乳
ボナが働いていたコンビニで、毎日午後2時にある女性が買って行った牛乳。
クラブのトイレで死体で発見された37歳のこの女は「ドゥバイ」に次ぐ、オイディプースと「トレイス・ユー」の交わりを見せてくれる人物だ。生まれてすぐにクラブに捨てられた出生の秘密、ドゥバイとクボナという名前を持った違う人物、彼のファンだった母親の存在。様々な伏線の上、作品の後半部で明らかになる彼女の正体は、神託を無視しようともがくが結局は父親を殺し母親と結婚したオイディプースを自然に思い浮かべさせる。特に4曲目の「Crazy Night」の歌詞中、「イオエオディオ」はイオカステーとオイディプースを意味し、「太陽に目が眩んで」は真実を知ったオイディプースが自身の目えぐった行為を連想させる。それ以外にも、「残ったのはナイフについてた血の滴だけ」「(神が)俺が君を愛した罪で世界を破滅させようと("俺を掴んで"中)」などの歌詞は、母親が死んだ日の太陽のように他人を殺害したアルベール・カミュの「異邦人」中のムルソーと似ている。捨てられた子供の悲しみが明らかになるところだ。

It item: 錠剤
激しい頭痛を訴えるボナが探しているもの。
「トレイス・ユー」の一つの筋が女とボナの関係だとしたら、もう一つはボナとウビンの関係にある。黒と赤が重なり合うポスターでもわかる通り、二人の男は妙に同じ雰囲気をまとっている。ボナがずっと薬を探し、ウビンがそれを奪う状況は、二人の葛藤を強固にし、エンディング直前その薬が精神分裂症に処方されたソラジン、セロクエル、プロリクション、リスパダールということが明らかになりながら、「トレイス・ユー」は多重人格というどんでん返しのカードを取り出す。どんでん返しである「ある少年の物語 reprise」を柱に「Trace U」「キチガイ」などのナンバーがパート分けを逆にして歌詞を変えながら新しい物語を描いていく。「歌を何曲か代わりに歌ったからって偉そうにするな」は、ボナとウビン両者が言った台詞であり、水に映った自身の姿に惚れてスイセンになったナルキッソスが元になったかのような「ある少年の物語」は鏡のように互いを写すボナとウビンの物語を作り出す。衝撃の真実を知っても、絶えず回転ドア観客が増える理由は、まさにこの点にある。


How many: 300
2013年初演当時、開幕3週にして「トレイス・ユー」を7回再観覧した観客数。これは週8回の公演中、平均2回観劇したという計算が可能であり、回転ドア観客の数はこれ以降 幾何級数的に増え、全101公演中最多40回以上見た観客も少なくはない。この現象は、開かれた解釈から始まる。
「トレイス・ユー」のキム・ダルチュン演出家は、作品を取り巻くすべての領域を総括しガイドラインを立てたが、解釈があるぐらいには俳優と観客を自由意志を重視している。「トレイス・ユー」はやはりそんな演出のスタイルとロック・ミュージカルという特性、ユニークな素材と俳優たちのアドリブが結合し、観客に多くの再観覧と考察欲を沸き起こさせた。特に観客の質問に対して演出家はツイッターで回答し始め、先日8月10日にあった「観客との対話」は、公演終了後長々と3時間進行された。隔週金曜22時30分から行われた深夜公演は5回、「トレイス・ユー」公演とはまた違うコンサートも2回開かれた。作品中の重要アイテムである薬を利用したMDやレビューブック、チケットブックなど自主的に制作されたグッズも少なくない。
5 Eunhasu Evans: <トレイス・ユー>①「トレイス・ユー」のための手引書 <트레이스 유>│① <트레이스 유>를 위한 안내서 http://ize.co.kr/articleView.html?no=2014020208147229637 2014.2.3.
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