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뮤지컬 랭보
台本読む前の適当なアレなんで60パーセントぐらいしか合ってない
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「人生は不幸だ。息つく暇もない不幸の連続だ。
しかし私たちはなぜ、この場所に存在しているのだろうか。」
01. 心に降る涙(ヴェルレーヌ作) – ドゥラエ、ヴェルレーヌ
내 마음에 내리는 눈물 (베를렌느作) - 들라에, 베를렌느
陰鬱な日々を送るポール・ヴェルレーヌの元に、アルネスト・ドゥラエが訪ねてくる。
「ランボーが死にました。……アフリカに、彼の最期の詩があります。一緒に探しに行きましょう」
そう言って、アフリカ行きの船が出るというマルセーヌ行きの汽車のチケットを渡す。
「ランボーが死ぬわけがない。あいつは悪魔だからな」
「また彼の詩を読みましょう。……昔のように」
「俺にはもう関わるなといったはずだ」
「……ランボーの頼みじゃなければ、こんなことはしません」
残されたチケットを手に、ランボーを追憶する二人。
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02. 酔いどれ船(ランボー作) - ランボー
취한 배 (랭보作) - 랭보
天真爛漫な詩人ランボーとその親友ドゥラエはいつもの通り、出版社や有名な詩人たちに手紙を書き、詩を送りつけていた。しかしランボーの詩に反応する人間は誰もいない。
「ボードレールが生きていたら、一番に理解してくれたはずなのに!」
ランボーの一番の理解者であるドゥラエは、いつか自分以外にもその詩を理解する人が現れるはずだと励ます。今度の手紙は何を書いたのかと尋ねると、ランボーは言う。
「"私は透視者(Voyant)になることに決めました"。 普通の人々が見ることのできない未知の世界を見通す存在!」
03. 母音(ランボー作)- ランボー、ドゥラエ
모음들 (랭보作) - 랭보, 들라에
「君ならきっとなれるよ、透視者に!」
他の詩人たちにも手紙を書こうと提案するドゥラエ。どの詩を送ろうか悩むランボー。これがいいよ、と一番好きだという彼の詩『母音』を渡す。
Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oはブルー
母音たちよ、何時の日か汝らの出生の秘密を語ろう
「お前に意味がわかるのか?」
「……意味なんて! ただ楽しんで読めばいいんでしょ?」
「さすがは天才のドゥラエだ!」
ドゥラエは、詩集の新刊をランボーに紹介する。
どれもこれもランボーにとってはイマイチなものばかりだったが、パリで有名だという「ポール・ヴェルレーヌ」の詩に心を奪われる。
ランボーは、彼に手紙を書いてみることにした。
"私はアルティーヌ・ランボーと言います――あなたの詩を読み、私は心を奪われました。ボードレールを除いては、初めてのことです。――ぜひ私をパリに招待してください。自作の詩を数篇お送りします――"
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ここはパリ。世間の嘲笑にさらされ、もはや生きる希望を失ったヴェルレーヌがそこにはいた。ピストルを持ち歩きながらも、自害する勇気は無かった。
そこに、一通の手紙が届く。それは才能あふれる、見知らぬ少年からの手紙だった。
"私はあなたに向かう――時間と共に、あなたのもとへ――"
04. 高い塔の歌、感覚(ランボー作)
높은 탑의 노래, 감각 (랭보作) - 랭보, 베를렌느
互いの詩を読みながら、その魂に惹かれる二人。
ついにランボーのもとに、ヴェルレーヌから返事が届く。
”来たれ偉大なる魂よ。あなたの詩を読んだ瞬間、私達がはるか昔からつながっていたということを感じた――汽車のチケットを同封する。一日でも早く、あなたに会えることを――”
期待に胸を膨らませ、パリに向かうランボー。
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二人の詩人はついに出会った。
「ポール」と自身を呼ぶランボーに対し、ヴェルレーヌは17歳という彼の若さと、それに見合わない才能に驚いた。
互いの詩を認め合う二人。
「パリで何がしたい?」
「フランス文壇に詩を発表したい。その前に、他の作家に会いたい。俺の詩に、どんな反応をするのか」
05. 座った奴等(ランボー作) - ランボー、ヴェルレーヌ、ドゥラエ
앉은뱅이들 (랭보作) - 랭보, 베를렌느, 들라에
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ランボーから届いた手紙を読むドゥラエ。
"フランスの作家たちは廃退して、絶望的だった。彼らの詩はぞっとするものばかり。お前には想像もつかないぐらいの――"
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ヴェルレーヌに連れられて行った作家たちの集まる酒屋で、ランボーは酒の勢いでパリの詩人たちを批判する。
最初は恐る恐る見ていたヴェルレーヌだったが、彼もランボーに加わって騒ぎ出す。
「無気力者達を起こすな もう手遅れだ
どうせ死んでいるのだ 床に這いつくばったまま!」
06. 母音 rep. (ランボー作) - ドゥラエ
모음들 Rep. (랭보作) - 들라에
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"パリは俺の望んだ街じゃなかった。この街を出なくては。さもなければ奴らのように無気力になってしまう。幸いにも、ポールは俺が感じたそのままの人だった。彼となら、どんな未知の世界にでも行けるだろう――ドゥラエ、お前の笑顔と声が恋しいよ"
ランボーの手紙を読み、寂しさを隠しきれないドゥラエ。
「Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oはブルー……じゃあ僕は、何色?」
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07. 白き月(ヴェルレーヌ作)- ランボー、ヴェルレーヌ
하얀 달 (베를렌느作) - 랭보, 베를렌느
酒屋から逃げ出してきた二人。ゴミの都市、狂ったパリめ!
ベルレーヌは、今日の失態は悪酔いのせいだと説明がつくが、新入りのランボーはもう取り返しがつかないと警告する。パリの文壇から嫌われる、と。
そんなことを怖がるなんて、あなたは本当に詩人なのか?とランボーがからかうと、ヴェルレーヌは突然、自分を非難する幻聴に襲われる。
「俺は詩が、詩が書きたいだけだ……!」 混乱の中、頭を抱えるヴェルレーヌ。
最後にいつ詩を書いたのかも思い出せないヴェルレーヌ。
自分の詩を卑下する彼に、ランボーは、あなたの詩がなければここまで来なかったと言う。そんなランボーに、ヴェルレーヌは心情をこぼす。
「お前の詩を読んで、昔を思い出した。恐れず、どんな言葉にも耳を貸さず。あの時は、頭に浮かぶ単語たちを掴んで、詩を作り、夢を見ていた。でも……」
「この詩を書いたときも、きっとそんな気持ちだったんでしょう?」
ヴェルレーヌの詩「白い月」を暗唱するランボー。どうして覚えているのかと驚く彼に、「素晴らしい詩だから、あなたの声で聞きたい」と、その先を促した。
白い月が森を照らし 枝々からその葉を伝って囁きがもれる
ああ、愛する人よ
深い鏡のように 池が映し出す
黒々とした柳の影を 風が泣いている・・・
夢見よう、今この時
広々としたやすらぎが やさしく降りてくるようだ
月の光が虹色に染める 空の果てから
今、至福のひととき
また詩を書きたい、とこぼすヴェルレーヌ。
「じゃあ俺と一緒に行こう。こんな場所では何も書けない」
「……俺は子供じゃない」
「ええ。大人でしょう。ただその年になっただけの。でもあなたは詩人じゃない」
「俺には守る家族がいる、果たさねばならぬ義務がある」
「義務? あなたの義務は詩を書くことだ。他に何を守る必要がある? 名声? 地位? こんな世界に住むことは、詩人にとって毒だ。だから、俺と行こう。全てを捨てて!」
「そんな簡単な問題じゃない! お前に、俺の何がわかる?」
「あなたが、こんな場所でくすぶる人間じゃないってことはわかるよ。……俺はあなたを理解した。あなたがそうしてくれたように……ポール。俺は明日発つよ。ここではない何処かへ。だから選んで。俺と透視者になるか、このまま留まるか」
「……俺は行けない!」
08. すべてが崩れたベッドの中で(ヴェルレーヌ作)- ランボー、ヴェルレーヌ
다 망가진 침대 속에서 (베를렌느作) - 랭보, 베를렌느
悪魔の誘いには乗らないと心を決めたヴェルレーヌだったが、ランボーの言葉を思い出すと、途端に家を飛び出していた。
駅にはランボーが待っていて、彼はヴェルレーヌを見つけ、微笑んだ。
「来ると思ってた」
「お前のためじゃない。俺の詩のためだ」
「一緒に行こう、未知の世界に」
「……お前は悪魔だ」
「地獄を案内してあげますよ」
「詩が書けるのなら、どこへだって!」
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ポール・ヴェルレーヌは駅にいた。どういう風の吹き回しかと、アルネスト・ドゥラエが尋ねる。
「あの悪魔の失敗を確認したいだけだ」
「死ぬ前日にランボーが言ったんです。アフリカで真実の詩を発見したと。詩を書き留めたものを埋めたそうです」
「"発見"? あいつは詩なんて書かないと言ったはずだ」
「詩はあります。僕が見つけてみせます。彼の最期の詩。……詩集を出すんです。彼がどれだけ素晴らしい詩人なのか、世間も認めてくれるはずです」
「誰も見向きすらしないさ。たったの一行だって、理解できる人間がいると思うか」
「……ヴェルレーヌさんは、悪い記憶しかないんですか。幸せな記憶は、」
「無い、たったの一瞬だって……」
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09. なぜだろうか(ヴェルレーヌ作) - ランボー、ヴェルレーヌ
알 수 없어라 (베를렌느作) - 랭보, 베를렌느
二人は海の見える街(英国)にやって来た。
未来を夢見る自由な魂、ランボー。
不安に駆られ、悪夢に苛まれるヴェルレーヌ。
ランボーは落ちていた木の枝を拾うと、地面に詩を書き始めた。ヴェルレーヌにも書くように促すと、最初は恐れていた彼も、ゆっくりと心を開き、詩を書き始めた。
二人の心が、詩を通じて、分かり合うような時間。
ランボーは、彼の詩を尊ぶように、詩が書かれた地面にキスをすると、ヴェルレーヌも同様にランボーの残した詩にキスした。
パリの喧騒から離れ、二人には穏やかな時間が訪れたかのように見えた。
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10. 昨日の出会い(ヴェルレーヌ作)- ドゥラエ、ヴェルレーヌ
어제의 만남 (베를렌느作) - 들라에, 베를렌느
フランスの新聞には、ヴェルレーヌとランボーが駆け落ちしたという記事が載っていた。二人は作家同士という関係を超え、同性愛なのではないかという噂まで。
ドゥラエはランボーを心配して手紙を書こうとするが、途中で思い直す。
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一方、ランボーとの二人だけの生活を始めたヴェルレーヌ。
ランボーが眠っている間に彼の手帳を盗み見ると、そこには自分が書きたくても書けないような美しい詩があった。
「ランボーのように、たった一度でも、なれたなら……」
11. 緑(ヴェルレーヌ作) - ランボー
초록 (베를렌느作) - 랭보
ランボーが目を覚ますと、ヴェルレーヌの姿は見えなかった。彼は、書斎の上に置かれていた一片の詩に気がついた。
ここに果物と花と葉と枝がある
そしてほら、ここに君を思って震える私の心
あなたに向かって夢見る心を
あなたの愛しい手で優しく包んで
詩を読んでる途中でヴェルレーヌがやって来た。
詩の題名を尋ねると、まだ決めてないが『緑』だと答えるヴェルレーヌ。
「じゃあ出来上がったら、俺に一番に見せてよ。約束」
そこに突然、ドゥラエが現れる。
訪問を喜ぶランボー、困惑するヴェルレーヌ。
ドゥラエは、ランボーを迎えに来たと言う。きっとまだ記事を読んでいないのだろうと、彼に新聞を見せる。
「ヴェルレーヌさんは家族もいるのに……良い詩を書く人だと思ってたけど、詩に見合うほどの人間じゃなかったんだよ。結局、家庭より詩が大事なんだ!」
記事を読んだヴェルレーヌは、ランボーの話も聞かず、家を飛び出す。
ドゥラエにはまた手紙を書くと言い残し、ランボーはヴェルレーヌを追いかえる。
12.傲慢の声はラッパの激しい悲鳴(ヴェルレーヌ) - ヴェルレーヌ
오만의 목소리는 나팔의 거센 외침 (베를렌느作) - 베를렌느
非難、嘲笑、嫉妬、悪魔。消し去りたくても消しされない、あらゆる幻聴に苛まれるヴェルレーヌ。
ランボーが駆け寄るが、彼はすっかり憔悴しきっていた。
「お前と一緒にいて、すっかり忘れていた。自分がどんな存在なのか。俺は卑怯で、弱くて、失敗も自殺も恐れて、『未知の世界』に飛び出せるような人間じゃない!」
「でもあなたは俺を理解した、それだけで特別だ!」
「俺たちの時間は、毎晩飲むあの酒のようだ。現実や悪夢を忘れられる、一瞬の幻想、狂気……」
「そんな風に言うな。じゃあ、毎日そうやって暮らそう。毎日酔って、現実を忘れられるように!」
「そんなの不安になってしまう、呪われてしまう」
「……ポール、この地獄をどうやって生き抜くんだ? ……あなたはそのままでいればいい。俺は、歩き続ける」
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アフリカに向かう船のデッキ。ポール・ヴェルレーヌは過去を思い出していた。アルネスト・ドゥラエが声をかけた。
「最悪の旅だ。記憶がどんどん蘇ってくる」
「もうすぐアフリカに着きます」
「まさか俺が、アフリカに行くなんて」
「どんな詩を書いたんでしょうか。彼は何を発見したのでしょうか」
「詩なんてもの、あるわけがない」
「彼は幸せだったのでしょうか。いつか必ずアフリカに行くと言ってました。自分の目的地だと……」
「あいつは死んだ……死んだんだ……」
13.ニナの返事(ランボー作)- ドゥラエ
니나의 대답 (랭보作) - 들라에
アルネスト・ドゥラエは、ランボーとの出会いを思い出した。
「君はドゥラエだよね? 」
――どうして知ってるの?
「クラスで浮いてるのは俺たち二人だけじゃないか――何描いてるの?」
――僕。
「ずいぶん小さく描いたね? こんなにページが余ってるじゃないか」
――これから違うもので埋めるから、良いんだ。
「君は絵が好きなの? 俺は文が好きなんだ。俺たち、似てるね」
――似てる? 僕たちが?
「たまにここに来てもいい? 良いアイデアが浮かんだんだ。アフリカに住む二人の子供の話を書く。アフリカが何処か知ってる?――マルセーユから船に乗ったら着く、おっきな陸だよ」
―― そこには何があるの?
「俺が探し求める、すべてのものが―― ドゥラエ、俺と一緒に行くか?」
君が探し求めるその場所に、僕は行けるのだろうか?
僕の探し求める場所は、どこにあるのだろうか?
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冬。出版社に詩を持ち込むが、まったく相手にされない二人。
ヴェルレーヌの妻から離婚調停の手紙が届くが、ランボーは気にも留めない。
芳しくない状況に、ヴェルレーヌへの不満を募っていく。
貯金も尽きて、互いに働かなくてはいけないのではないかと言い出すヴェルレーヌに、それでは詩を書く時間はどうするのかと尋ねるランボー。
「あなたが無駄な悩みに時間を費やしている間、俺は詩に頭を使ってきた!」
「誰にも理解できない!」と、口を滑らせてしまうヴェルレーヌ。
「……それが俺の詩に対する、あなたの評価?」
「世間の評価だ!」
「あなたの考えだろ?」
「俺の考えなんか関係ないだろ! 俺たちは憎悪される。この時代に詩人として生まれたことが不幸で、間違いなんだ!」
「俺から離れるための口実探しだ。まるで、父親と同じ……」
「俺はお前の父親でも、保護者じゃない!」
「俺は自分のためじゃない、あなたのためにここまで来たんだ!」
「じゃあお前は何をしてくれた?」
「パリが恋しくなったって言えよ。平和で偽善的で……」
「……やめよう。今は冷静な会話ができない」
「二人で決めたんじゃないか、詩人になるために」
「詩人なんてどうでもいい、ちゃんと生きていかないと!」
14. たわごと(ランボー作)、叡智(ヴェルレーヌ作) - ランボー、ヴェルレーヌ
헛소리 (랭보作), 예지 (베를렌느作) - 랭보, 베를렌느
その一言に、ランボーの目の色が変わった。
「……じゃあ、行けよ。家族のもとに帰れ。代わりに、二度と詩なんて書くな。文壇が嫌悪するからな」
「お前こそ故郷に帰れ! 誰にも理解されない詩を書いてろ! 母親の腕の中で!」
すれ違う二人。
「透視者になる? そんなの全部お前の虚言だ、妄想だ!」
「……俺のこと、全部理解したフリだったんだ?――ごめん、苦しめて悪かった。……もう終わらせてあげる。あなたにはもう、こんな手必要ない!」
そう言ってランボーはヴェルレーヌの右手にペンを突き立てた。
「悪魔!」「偽善者!」
互いに信用できるものは、もう何もなかった。
荷造りをするヴェルレーヌ。
「俺が欲しかったのは、詩を書く少しの時間、そして……お前だ」
ランボーの引き止める声も虚しく、ヴェルレーヌは家を出て行ってしまう。
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15. 空は屋根の向こうに(ヴェルレーヌ作)- ヴェルレーヌ
하늘은 지붕 위에 (베를렌느作) - 베를렌느
ランボーから離れ、虚しさに襲われるヴェルレーヌ。街はこんなに静かに単純で平和なのに……
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故郷に戻ってきたランボー。ドゥラエは彼に声をかけるが、
「結局、俺の詩は誰にも理解されなかった」
「僕がいるじゃないか! 世間もきっと理解してくれる」
「……でもあの人だけだ。俺の詩を理解してくれる人は……」
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ヴェルレーヌは詩を書こうとするが、うまくいかない。
あの浜辺でランボーに貰った木の枝を手に取ると、もはや我慢することはできなかった。
"ランボー、ブリュッセルに来てくれ。今すぐ。お前が必要だ――"
ふと手紙から頭を上げると、そこにはランボーがいた。
必死に彼にすがりつくヴェルレーヌ。
「俺が間違ってた。また最初からやり直そう、次は何処に行く? 何処だっていい、楽しく詩を書こう」
「……もう二度と、俺の詩が"妄想"だなんて言うな」
「あの時は、」コンコン
弁明しようとすると、ドアを叩く音が聞こえてきた。
ヴェルレーヌはランボーにここを動かないよう言いつけ、玄関へ向かった。
ランボーが彼の机の引き出しをあけると、そこには依然として拳銃が眠っていた。彼はそれをこっそり持ち出した。
ヴェルレーヌが帰ってきた。
「俺の家族だった……もう帰ったから、ここにいろ、」コンコンコン、とノックが鳴り続ける。
「いいよ。俺が出てくから。俺の問題だったんだ。俺が消えれば済むことだ」
16. 非難を受ける詩、良い作家(ヴェルレーヌ作) - ランボー、ヴェルレーヌ
비난 받을 시, 착한 제자 (베를렌느作) - 랭보, 베를렌느
止まらないノック、狂ったかのように詩を唱え始めるランボー。
昔、この記憶が確かなら。私の人生は全ての人間が心を開き、全ての酒が零れる祝祭だった。
ある日の夜、私は膝に「美」を横たわらせた。しかしじっと見てみると、それは苦い味だった。
それから私は、正義に向き合い争った。魔女たちよ、悲惨さよ、憎悪よ!
私は我が宝石たちをお前たちに託したのだ。そしてついに私は、精神から人間的なすべての希望を消し去った。
そして猛々しい獣のように荒ぶり飛び出した。
私は災いに向き合い争った。私は砂と血に息が詰まり、泥の中に倒れた。
不幸は我が神だった。私は邪悪な曲芸を繰り広げた。
恐ろしい毒を飲み込んだ。内臓が焼けるような毒の強烈さ。
喉が渇く。息が詰まる。声をあげることもできない。
地獄だ。永遠なる苦痛だ。忌まわしさがどこから湧き出るのか見よ。
私は燃え上がる。さあ 悪魔よ。
私は疲れてしまった。ああ 人生よ。ああ 醜い我が姿よ。
まことに呪われたこの口づけ。どうか、どうか私を憐れみたまえ。
私を包みたまえ。私は余りにも悪い行いをした。
ランボーは自らのこめかみに拳銃を当て、ヴェルレーヌを追い詰めていく。
「俺が理解できる?」
「理解する! 理解する、ランボー」
「……いいや。あなたには理解できない」
あの頃に戻れたらどれだけ良いか、と拳銃を置いて立ち去ろうとするランボー。
「行くな!」
銃声が響く。拳銃を手にしたヴェルレーヌはランボーを狙おうとするが、こちらに向かってくるランボーにたじろぐばかり。
「今みたいに醜くて孤独なまま、一生を苦しんで生きて死ねばいい。……俺たち、出会わなければよかった」
去りゆくランボー。
ヴェルレーヌがその後姿に発砲すると、それはランボーの左手に命中した。
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傷害の罪で逮捕されたヴェルレーヌは、2年の禁錮を言い渡さた。
釈放された彼を待っていたのはドゥラエだった。
「……もうランボーの手は治ったか?」
「あなたにお願いがあるんです」
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「ドゥラエ、頼みがあるんだ。……俺はもう筆を折るよ。詩を通してでは、透視者になれないことに気づいた。この世に存在する芸術は全て偽物だ。聞こえのいいロマンチックな嘘ばかりだ。嘘では何も変えられない。嘘を捨てて、真実を求めて旅立つことにした」
「どこに」
「アフリカ。そこには偽物じゃない、本物の不幸、苦痛、絶望の熱気がある。真実を探すためには、その熱気の中に飛び込まなければ」
「苦しむためにアフリカに行くって言うの?」
「どうせ俺は、幸せになるために生まれたわけじゃないようだからな」
「そんな……僕は、君が幸せだったらそれで良い。君が何処にいたとしても、幸せならそれで」
「ドゥラエ、お前は俺の詩を全て知ってる。だから、最期の詩も読んでくれるだろ?」
そう言って数編の詩を渡す。
「……ヴェルレーヌへの詩?」
「全部読んだら燃やしてくれ」
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「燃やせなかったんです。ヴェルレーヌさんは、ランボーを理解できる唯一の人だったから。出版してください。それがお願いです」
「もう全部忘れた。……もう二度と俺のもとに来るな」
—-
17.ニナの返事(rep)
니나의 대답 Rep. (랭보作) - 들라에, 랭보, 베를느
アフリカ。
ポール・ヴェルレーヌとアルネスト・ドゥラエはついにやって来た。
ランボーの魂が眠る場所に。
ランボーが残した写真を頼りに、彼の最期の詩を発見するドゥラエ。しかしそれを読んだ彼は絶句し、違う場所を探し始めた。
埋められていたのは、ただ日記だった。ヴェルレーヌがそれを読み始めた。
"コーヒーの会社に就職した。朝から晩までコーヒー豆を収穫する"
"エチオピアで商人になった" "膝の状態が悪くなった"
"死体が転がっていた、世界は地獄だ"………
ランボーが就職? 呆れたように笑うヴェルレーヌ 。
「これがランボーの言う、真実の詩だ」
探すことを諦めたように、ドゥラエが日記を読み始める。
"1887年7月14日、右の膝が完全にだめになった。しかしフランスに帰る気はない。今更帰ったところで、共にする人は誰もいない――"
"1889年2月25日、海岸線の街に移った。痛みのせいで一睡もできない。何もすることがないので、日がな一日、海を眺めたり、新しく出たポールの詩集を読んで時間を潰している――"
18. 緑 rep. (ヴェルレーヌ作) - ドゥラエ、ランボー、ヴェルレーヌ
초록 Rep. (베를렌느作) - 들라에, 랭보, 베를렌느
驚くヴェルレーヌ 。
「俺の詩?」
「僕が送ってあげたんです。きっと読みたがると思って。その中でも好きな詩が、『緑』だと……」
ここに果物と花と葉と枝がある
そしてほら、ここにあなたを思って震える私の心
あなたに向かって夢見る心を
あなたの愛しい手で優しく包んで
ただあなたに向かって脈打つ心を
その美しい瞳でやさしく受け止めて
赤い表紙の詩集を、慈しむように見つめるランボー。
「本当に腹が立つよ。こんな簡単で素朴な単語で、こんなに綺麗な詩を作り出せるんだから。この次の文章なんて、本当にムカつく……」
短い口づけに 慎ましげに染まるあなたの顔
あなたの広い胸で ひそやかに休ませてほしい
あなたの胸の中で静かに眠れるように
浮き立つこの心が静まるように 慰めてほしい
「馬鹿だな……自分がどれだけ偉大なことをしたのか、みんなわかってるのに、自分だけが知らないんだ……ポール、あなたも歩き続けてたんだな」
"1891年5月3日、もう旅行を終わらせよう。歩けないことが死に至る苦痛だとしても、私は絶対に自殺などしない。息が尽きる瞬間まで、生きるために死ぬほど抗って、残された不幸の時間を楽しむつもりだ――"
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"人生が辛いと言ってる人たちは、一度ここに来ることをおすすめする。この地獄で、生を実感できるはずだから――"
ドゥラエが日記を読み終える。
「本当は、ランボーのためにここに来たわけじゃないんです。見たかったんです。彼が人生をかけて見つけた真実の詩。彼がアフリカで何を見つけたのかわかったら、僕も自分の道が見つかるんじゃないか、少しは特別な存在になれるんじゃないか、って……バカみたいにそう思ったんです」
"最近、小さい頃の夢をよく見る。ドゥラエによく言われた。「君、変だよ」――一緒にオアシスを探し求めた親友"
「ランボーは少し変な子供でした。目が覚めてるときも夢見てるような表情で。彼といると、本当に楽しかったんです。できることなら、二人のときにまた戻りたい」
「実は俺も、ランボーのおかげで幸せだった瞬間があった。今でもハッキリと思い出せる……」
「……帰りましょうか」
ランボーの残した真実の詩を胸に、二人はその地を後にしたーー
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19. 永遠(ランボー作)- ランボー
영원 (랭보作) - 랭보
「人生は不幸だ。息つく暇もない不幸の連続だ。しかし私たちはなぜ、この場所に存在しているのだろうか。」
また見つかった、
何が、永遠が、
海と溶け合う太陽が。
・・・もとより希望があるものか
立ち直る筋もあるものか、
学問しても忍耐しても、
いずれ苦痛は必定だ。
また見つかった、
--何が、--永遠が、
海と溶け合う太陽が。
「そうして私は抜け出す。世界のあらゆるものから。そうして私はついに、飛んでいく」
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20. 並んで(ヴェルレーヌ作) - ランボー、ドゥラエ、ヴェルレーヌ
나란히 (베를렌느作) - 랭보, 들라에, 베를렌느
終わらない冒険 愉快な逸脱
まるで探検家のようなあなたと私
冷たい空気を抜けて 身軽に駆け抜けた
純粋な森の中 とめどない放浪
偏見に満ちた周りの視線から
ついに私たちは完全に開放された
無駄な戯言に耳を塞ぎ
奴等の非難で晩餐を楽しんだ
致命的な毒酒を飲み込んだ瞬間
飛び上がった 恍惚たる天国へ
黄金の石薬に向かい
目一杯走った
終わらない冒険 愉快な逸脱
まるで探検家のようなあなたと私
冷たい空気を抜けて 身軽に駆け抜けた
純粋な森の中 とめどない放浪
終わらない冒険 愉快な逸脱
まるで探検家のようなあなたと私