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現在「ネイサン」役はキム・ヒョンジン、キム・ウソク、ヤン・ジウォンの3名の俳優が演じているが、キム・ヒョンジンはネイスンを、
ネイスンはとても模範的な子です。学校では大きな問題も起こさず、家でも両親から認められようとする"小さくて大事な子供"です。表面だけ見ると典型的な模範生ですが、その中には他の人にはわかりえない大きな所有欲があります。
その所有欲の対象がまさにリチャードです。一度その所有欲が発動すれば、止めることのできない性格を持っている人です。
……と、説明してくれた。続いて、キム・ヒョンジンのネイサンはどんな点をより浮き彫りにしているかが気になった。
僕は所有欲を直接的に表そうと思いました。ネイサンは強い所有欲の化身です。その主体が自分であれば、自分のために何かを得ようとするし、自分のための何かが存在する人物です。なので、僕が演技する時はそんな部分を強調しています
……と、説明した。
劇の初めにネイサンが鳥を見る場面があるのですが、他の俳優たちと"ネイサンがどうして鳥を見るのか"について話をしました。誰かは自由な魂を代弁しているのではないかと、誰かはただ公園にあるオブジェと言いましたが、僕は、ネイサンがリチャードに最後に"籠の中にいるつがいの鳥のように"と言うセリフを思い出したんです。ネイサンはその鳥を見て最初から考えていたと思います。あの鳥が欲しい。だから所有欲の一つとしてその鳥を手帳に書き留めます。
また、鳥が逃げていくのを見てリチャードの姿も見えたんじゃないかなと思います。手に入れたいのに逃げていくリチャードみたいだと。リチャードがネイサンを一年間置いていったのに、ネイサンは彼が戻ってきたとき"どうやったら自分から離れなくなるだろう"と思ったと思います。だから鳥を最初に見ている瞳と、逃げる時の瞳を違うように表現しようとしました。
……と、じわじわと自身の考えるネイサンについて説明する彼の瞳は輝いて見え、作品と配役への没入度がとても高い、研究をする俳優の姿が見えた。
細かいところまで一つ一つ研究するキムヒョンジンを見てファンたちは「ディテール富豪」というあだ名を与えたと言う。これについてキム・ヒョンジンは、
そんなあだ名をつけてくださって、とてもありがたいです。演技を初めて習った時先生から、舞台で起こるすべての行動とセリフは氷山の一角だと仰いました。すべての行動には理由があるんだと。だから俳優がその理由を正確に知って演技しなければならないと教えてもらいました。なのでセリフ一言、ひとつの行動を悩んで、外に出そうとしています。僕の努力するそんな部分を、ファンが分かってくれる時がとても嬉しいです。
……と、ファンに対する感謝の気持ちも共に表現した。
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2007年の初演から今まで多くの愛を受けている「スリル・ミー」という作品にキム・ヒョンジンが参加する所感が気になった。
まず、とても光栄でした。10年以上愛されている作品で、成功的な歩みを続けているのに、僕がその歩みを続けられることが、とてもありがたく嬉しかったです。初めてオーディションの提案を聞いた時、何度も聞き返しました。"僕が? 本当に? ほんとに?" 実はまだ信じられません。テハンノの『スリル・ミー』のポスターに自分の顔があるのを見て、10年前の僕が、"この作品を僕にすることができるだろうか"と思った作品を共にできて、とても感謝です。本当に良い先輩たちが歩んでくれた作品なので、僕が迷惑をかけないように、最後まで最善を尽くさなければというプレッシャーもありますが、頑張ろうと思います。そして、この公園がここまで来れた理由は多くの観客たちと一緒だったからです。僕がすべての人を満足させることはできませんが、これまで多くの観客が愛してくれた作品ですから、せめて迷惑にならないようにしたいです。自分の公演が無い日にも、公演についてたくさん考えています。
……と話す姿に、「スリル・ミー」に参加する喜びと責任感が見え、また観客に花を持たせる姿に、器の大きな俳優という印象を受けた。
次に、キム・ヒョンジンとの一問一答。
★3名のリチャードが出てくる。イ・ヘジュン、ク・ジュンモ、ノ・ユンとの呼吸はどう違いますか?
日が経つにつれて変わってはいきますが、ジュンモとは同い年なので、二人でやり取りする呼吸が面白いです。ジュンモリチャードは、むしろ望みがはっきりしてる子だと感じます。だからネイサンの立場としては、むしろ手に入れるのが簡単だと思いますね。
ヘジュンリチャードは何を考えているかわからなくて、僕も本当に頭を使います。「この人は次にどんな行動をするか」という疑心を多く感じるリチャードです。
ジュンモととは、最初から最後まで同じ目標に向って行く陸上競技の感じで、ヘジュンひょんとはフェンシングのような感じです。「どう来るか? どう差すか?」のように、二人とも違うので面白いです。うーむ、スポーツで例えてみたので、ノユンリチャードともどんなスポーツが似合うか考えてみます。
ユンとは二人三脚みたいです。二人で足を合わせて乱れないように互いに助け合う感じですね。また、互いに助けが必要で、望むものを補ってくれる感じがします。
★先ほどネイサンは本物の模範生のようだと言いましたが、ヒョンジンさんはどうでしたか?
本物の模範生でしたよ。
★あ、ネイサンそのものだった!?
いいえ! 僕は悪いことはしてません!(笑) 学生時代、僕は認められたり愛されようとする子供だったと思います。友達との関係、両親、先生にまで。勉強が好きだったというよりは、誰かの期待に背かないように、その期待に応えるために努力してたと思います。
★今でもそうですか?
そんな部分が無くもないですね。誰かが僕に期待してくれるのはありがたいことで。公演に向かう時も、僕を信じてくれるスタッフ、政策人、会社の人、同僚の俳優たちがいるので、それにふさわしい努力をつくそうとしてます。また、舞台の上の僕を信じてくれる観客がいるので、がっかりさせないよう、まだまだ努力しています。
★ネイサンの所有欲、ヒョンジンさんとどれぐらい似ていますか?
小さい頃、欲しいものは手に入れたい性格でした。両親によると、デパートやスーパーに行った時、僕は欲しいおもちゃがあったらその前から一ミリも動かなかったそうです。親が買ってくれると言うまでじっとそこに座ってたらしいです。そんなことはよくあったわけじゃないですが、何か刺さるものがあれば必ず手に入れたいと思ってました。
今もそういうところがあるにはあります。レゴにハマった時は必死に働いでそれを買おうと努力します。自分にそういう傾向があるから、ネイサンを理解する時、自分の姿をもっと極大化したんですね。でも今は人間キム・ヒョンジンは、一方でよく諦めます。欲しいけど「高い! 買えない! 僕のものじゃない~」と心を折ります。でもネイサンは財力もあるし賢いので、諦めるのは簡単じゃないようです。
★ヒョンジンさんがネイサンだったら。リチャードについて放火しますか?
僕がネイサンだったら、恐怖が勝って、そんなことできないと思います。小さいころエレベーターに閉じ込められたことがあって、未だに一人でエレベーターに乗るのも怖いです。ホラー映画も観れないし、暗い場所も嫌いなので、小さい頃は灯りをつけたまま寝ました。僕はネイサンより罪悪感も感じられますし。ネイサンが罪悪感を感じられないというわけではないですが、自分の欲望のためなら罪悪感を抑えられる人じゃないですか。僕は絶対無理です。友達に失言しただけても気にかかるので。
★とすると、監獄に一緒に入ろうとはしないですよね?
僕はそこまで行きもしないと思います。倉庫に火をつけようと言われたら、「別れよう」と言うと思います。
★オーディションの時、リチャード役もやりたがったと聞きましたが、その理由は?
リチャードの冷徹な魅力がとても好きでした。僕の普段の姿からはあまり見せない姿なので、舞台の上で挑戦してみたかったんです。でもオーディションで音楽監督さんが力を使うのはやめようと仰ったので、リチャードの姿は見せることもできませんでした。
★それでも最初からネイサン役で呼ばれて、嬉しかったと思いますが。
もちろんです。「僕にネイサンの姿があるから読んでくれたんだな、そんなキャラクターが僕の中に見えるんだ」と思いました。僕はオーディションの過程で、自分の中の確信を作っていきます。公開オーディションでも非公開オーディションでも、僕の中でその役の姿を見つけ出すことは面白くて好きな部分です。
なので時々練習する時に行き詰まることがありますが、その時に思うのは「僕をオーディションに呼んでくれたじゃないか! できるから呼んだんだ!」と思い出します。「僕を引き抜いてくれたのだから、僕にできることなんだ~」とずっと考えながら練習を頑張ります。
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★スリル・ミー、記憶に残る回はありますか?
毎公演記憶に残ってます。前の公演で双眼鏡が切れたことがあったのですが、望遠鏡をいつ自然に拾うか考えながら5倍は頭を使いました。自分の集中と相手の集中を途切らせないように努力しました。僕なりにとても自然に拾いましした。
★その日のリチャード役は?
ユンでした。終わってからユンが手で望遠鏡のポーズをしながら僕をからかいました(笑) ユンが慣れたようにその場面を受け止めてくれたので、ちゃんと続いていったので、この場を借りてありがとうと言いたいです。「ありがと~!」でもユンが僕を「小道具ブレイカー」とすごく馬鹿にしました。
★生まれ変わっても俳優をやりたいと言いましたが、他の職業は気になりませんか?
他の職業もそうですが、俳優という人生が一番祝福された人生だと思っています。最近両親とそんな話をしました。観客が公演終わりに現場やSNSでいろんな言葉をくれますが、「僕の舞台で慰められた」「人生がつらかったが公演を見て楽しんだ。少しの間苦労を忘れられた」、そんな話を聞くと、「僕がそんなことをできるのか」と思ったんです。生きてて誰かに良い影響を及ぼすのは簡単なことじゃないのに、俳優という職業が誰かに良い影響を与えられることは大きな祝福だと思います。生まれ変わっても、僕のおかげでたっだ一人の観客でも楽しませられたら、意味のある事だと思うんです。もちろん、僕は違う仕事をしたことが無くて、ほかの望みを知らないのもありますが、こんな良い記憶があるから、また俳優をするんじゃないでしょうか?
それに、キム・ヒョンジンのキャラクターを考えた時も、愛されたいし、愛を伝えたいから俳優をまた選ぶと思います。お分かりの通り、僕は自分の話をするのが好きなので。僕って口数が多いじゃないですか(笑) 少し前にヤン・ジュンインさんが、自分の体で語る職業だとおっしゃったのですが、俳優もそんな職業のようです。作品によって時には語る物語がとても変わりはしますが、僕の話をしたいし、僕を通じて話をお聞かせしたいです。
★やりたい作品と役で、「レベッカ」の「ダンバース」を挙げていたので驚きました。もちろん最近はジェンダーフリーの風潮がありますが、理由は何でしょうか?
ネイサンを演技しながらダンバースに似てると思いました。ともあれダンバースもレベッカという所有と忠誠の対象があまりにも度を越えて、ほかの大事な物が見えないキャラクターに見えたんです。公演を見た時は単純に「あの舞台に立ちたい!」と思う場合が多いのですが、レベッカを見ながら「ダンバース夫人をやりたい!」と思いました。オク・ジュヒョン先輩がとてもかっこよい舞台を見せてくださって。あ! そのダンバース役がオク・ジュヒョン先輩だったのは今は初めて言いました。
★普段、イ・ソクジュンさんとよく話されるとか?
イ・ソクジュン先輩は僕の人生のメント(Mentor、信頼できる相談相手、師匠など)で、機能も夜中までソクジュン先輩と通話したのですが、今日の午前中もビデオ通話しました。公演についての話もしますが、人生についての話もたくさんしてくださいます。前に人生において難しい問題が起こった時に、ソクジュン先輩を尋ねました。作品についての悩みも交わして、あれこれ僕の人生の悩みまで一緒に考えてくださって、とてもありがたかったです。時にはアドバイスもしてくれますが、僕の悩みを自分の悩み化のように一緒に悩んでくれて、本当に人生を一歩先行く、先輩らしい姿を見せてもらっています。それに演技もとっても上手じゃないですか。
★ヒョンジンさんと話をしていると、「ストーリーオブマイライフ」の「アルヴィン」役も似合うと思いました。イ・ソクジュンさんもされてましたよね。
僕にやらせてくだされば本当にありがたいです! アルヴィンもぜひやってみたいです。
★今年の計画は立てましたか?
僕は計画をあんまり立てないんです。計画に固執してしまう時があるので。悪いことではないんですが、僕の人生のモットーが「融通の効く人になろう」なので、計画を立てるよりは瞬間的に与えられることへ最善を尽くそうとしています。また、今年からは作品数を少し減らそうと思っています。昔みたいな体力じゃないのもありますし。こうして話しながら、誰かに「その前はそうじゃなかったのか」と聞かれるかと怖いのですが、毎瞬最善を尽くしたと思って過ごしてはいますが、今年は一歩を深く歩いていきたいんです。多作よりも一作品に専念したいと思っています。
★多くの話をしてきましたが、最後に追加の一言があれば。
十分に質問してくださって、おしゃべりしているみたいで楽しかったです。
キム・ヒョンジン俳優は聞いて見たものと同じで、非常に聡明で賢い俳優だ。台本を徹底的に分析し、自身のセリフ、行動一つ一つをぞんざいにすることは無く、小さな道具ひとつにも魂を込める、まさに「立派だ」と言いたい俳優だ。 インタビュー中も自身の考えを秩序だって、はっきりと伝えながら、もしや違う意味で映ってはいないかと単語一つを慎重に選ぶ姿が見えた。会う人に善い影響力を伝えるキム・ヒョンジンのこれからの歩みが気になりながら、密度の高い一歩を応援したい。